紅蓮業火・怨

 


痛みを伴うほどに
生きることが辛くなった

舌を出してみれば

乾いた亀裂が走ってた



あんたは 笑えばそれでよかった

あんたは 生きればそれでよかった




あんたにわたしが
おしえることなど

ひとつもひとつもひとつもない


あんたがきっと、私だったら
あんたがこんな、私だったら


生きることすらできやしない


なんども死を望んだろ、
なんども自分を恨んだろ

 なんでこんなに、生きれないんだと。





 胸のうちに痛みが走る

 申し訳ない そんな風に

 謝りながら 生き続けてる




   生きることを謝り続けて


    





あんたが、生きていられるのは

あんたが、祝福されてるからだ




あんたが、笑っているのは

あんたが、人に見えるからだ






  私がもってんのはただの恨みだ

  わたしがもってんのはただの痛みだ



  あんたがくれた、ただの痛みだ



死にたいと、望んだわけじゃない

いつだって生きたかった

あんたたちは、笑いながら

ただ、死ねと言った、いつだってそうだ





 あんたがわたしだったら、
 
 もうなん十年も前に

 死んでいただろうに


人のくれたこの痛みで

 とっくのとおに死んでただろうに

あんたがくれたこの痛みで

 とっくのとおに死んでただろうに


  土下座しても

  狂っても

  全ての道は閉ざされていた



あんたの笑顔に張り付いた そんな欺瞞を横目で笑って


 自分のいのちを呪っただろう










あんたが笑っていられるのは


あんたが、わたしを、見てないからだ









あんたにとっちゃ


わたしはいつだって、ひとでないのさ


















もう、おいきよ









   いつか死ぬとき、泣きながら死ぬだろうか 笑いながら死ぬだろうか
   あるいは疲れきって死ぬだろうか

   いつか死ぬとき、呪いながら死ぬだろうか、泣きながら叫ぶだろうか

   それとも



   



    


   なんども望んだ、あんたと一緒になりたかった
   ひとの侮蔑はいつも消えない




私は一生、生きれない





   何度ものぞんだ、


   望んだのは、ひとつだけ



    ひととして扱われたかった。