酔いの玉 : コウヒィ喫茶・ツキノオト



すっかり寒くなった夜、
シィトで作った飾りをかたづけて、
私は店じまいの支度を始めた

シィトは、
この国独自の文化らしい、
人の心に反応して、
赤くなったり、青くなったり、
綺麗な糸になる

それを加工して、飾りにするのが私の仕事

そろそろシィトも切れてきたな、
と思った

凍り付いた月が、きらりと光っている
刃物のように

明日、コウヒィ喫茶に行ってみよう、
そこはなんの変哲もない喫茶だけど、
頼めばシィトをくれる人がたくさんいるのだ。
その代わり、占いの実験台にされたり、
話し相手になったり、
褒めちぎったりしなければならないけど。

人のいい、彼らの顔を思い浮かべながら、
知らず知らずのうちにほほえんでいた

あそこのココアを飲もう
邪道だと言われるけど、
おいしいのだ