花が降る
花が降る
白く白く空を染め
暗い暗い空を染め
真っ赤になるほど、
花が降る
誰かを
愛したことが
ありますか
ゆらゆうら花を添えると
恋が叶うと言う
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(C)ben From よだかの記
私の足には枷があります。
私の手は句を読むためだけにあります。
私は、花に捧げられる、生贄です。
もう随分常闇は濃くなった。
句を読み、神を呼び出すたび
少しずつ濃くなっていく。
神は花、花は闇、闇は神。
いずれ、私はこの闇に熔けるため。
『句を読んで、闇を導きなさい』
そう言ったのは、遠い昔の記憶、
誰でしたっけ、もう、覚えてもいない。
『常闇に、まみれなさい』
私は、常闇への生贄。
この闇の、生贄。
闇に熔けるため、
句を読み続ける…
咲守り。