スコーピオン



夜になっても
まだ興奮冷めやらぬらしく
幾度か涙目になるスコーピオンに
最初にお前を黒地のところへやったのは
すまなかったね、
あいつが反対勢力を
まったく危険な武力とともに
のばしているらしいのは知っていたから
なんとか監視をしたくてね
お前をやって見に行けばいい、と
浅はかに考えてしまった。
だいぶ苛められただろう、と言ったら
「あなたは私が守ります」と
それだけは強い声音で言う。
お前は弱いくせに、ほざくなよ
と言ったら、
一応強いつもりです、
鍛錬もします、
もっと強くなります
と、顔を赤くして怒った。

うん、私以外には
強いよな、と笑ってしまった。
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