ふう、と
背中が急に軽くなった

ナナツヤは
羽が生えたんだ、と
なんとなくわかった

ふわ、ふわ
どこか
すべてが
夢心地の中
世界が光ってみえる

ふわふわ
ああ、体が少し
浮いている

―わたしという存在は

誰の、なんの歌だったか
くちびるから
記憶にある
詩が
流れ出した

――わたしという存在は
ひかりまたたく

ひかりのうみの
一つのシナプス

たくさんの
点滅する
わたしたちの
ひかり

けんめいに
ただ
けんめいに
またたいていく

わたしたちは
ひとつひとつ
光のシナプス

いつか
ひとつの瞬きが
どこかに伝わり
流れていく



(※本文内の詩は
宮沢賢治:春と修羅の序文より、影響を受けたものです
(主人公がうろ覚えでつぶやいています))

これはこちらのコンテンツの紹介です

雪糸

雪が降る日……
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不思議な「木彫りの像」
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