ザーザー。 ザーザー。 テレビの砂嵐。 ふと、少年が映った。
(C)Mogiha From http://boys.ahito.com/
何度も繰り返される絶望。 何度も繰り返される悲しみ。 この胸の痛みは消えない。 何があっても。 それでも、生きたかった。
2020.08.06 ... Windowsアプリに変更。BGMを自作に変更 2005.02.20 ... おまけ要素追加。 2005.02.19 ... 完成・公開開始。 2005.02.18 ... キャラクター公開。 2005.02.16 ... 企画公開。
甲斐性のない駄目サラリーマン「カエ」、 ある日急に中古のテレビに映った少年と、短い会話を交わす。 上司にののしられ、それでも必死になって社会と関ろうとする「カエ」は、 「兄」に嫌われているというゲイの少年に、親近感を抱く。 だんだんと崩れていく足場の中で、 二人は互いに慰め合う。 やがて、すべてが終わるまで。 奇妙で暗い、不思議な話。
チャンネルをつけて。
つかれた体で。
ベッドに横たわって、垂れ流しの情報。
薄めで見ながら、ベッドの横に放り投げた、酒を飲む。
ザーザー、ザーザー。いつの間にか、テレビはゆっくり、砂嵐。
誰かを愛するために生きて
人を愛するために生きて
ただ虚無だけが残る砂嵐。
甲斐性なしのサラリーマン。
あまりに仕事ができないので、
リストラの危機に陥っている。
「そっちはどう」
なんでもないことのように、少年は言った
慣れ親しんだ恋人に話しかけるように
テレビの中の少年。
兄に嫌われていると言い、傷をいつも背負っている。
彼と会う時は、いつもがれきだ。
がれきでできた、灰色の世界だ。
同僚が俺の手を握っている。
がれきの中を歩いている。
なんでもないことのように。
ごく自然に。
カエの会社の同僚で、
唯一カエに優しい。
カエはほのかに惹かれている。
夢の中で逢瀬を重ねるが…。
「カエ……さん」
少年が言った。俺を知っているらしい。
無言でいると、そっと少年が近づいてきた。
そっと俺の胸にほほをあずけ、しなだれかかる。
なんということもない、抱きとめると、
少年の目尻から、涙が落ちた。
夢の中で逢える少年。
名前を教えてくれないが、
カエのことを知っているらしい。
ストレスで暗くなった欲望を、
カエは彼に向ける。
傷つきやすさを抱えた人たちは、 どこへ行けばいいのだろう… トラウマと戦いのゲーム。 恋愛要素低めの、 暗く、悲しい物語。 それでも、幸せに向かうことを、誓います。