許されるなら―光根―



王に頼んだことがある

キスしてくれませんか


俺は、羨ましかった
ずっと、羨ましかった
王にキスされるたび、和衛が笑う、満面の笑みで
嬉しそうに、殺したくなる

俺は、王に一度でいい、キスされたかった

王はね、何でだって、聞いたよ

光根に話しながら、その水に湯気を入れる
ふう、っと光が増す

理由が無いだろうって




 和衛にだって、理由は無いじゃないか
 和衛にだって、何一つ、りゆうなんか
 
 りゆうなんか
 
 
 
 
 この光根がうまくいったらキスしてくれますか
 
叶うはずの無い思いを口にした時
俺の中でなんかが壊れた、

この光根のじっけんがうまくいったら

俺はキスしてもらえるのだ

そう、約束したのだ

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