許されるなら―光根―



「おい、くる」

光根を触っていると、和衛が入ってきた
いそいでカーテンを閉める

「光を入れるなッ
駄目になるだろッ」

「…こんなの、どうだっていいじゃん」

     
     
     
     怒りが吹き上げた
     
     思わず、殴りそうになった
     

「…」

ぐっと堪えていると、和衛がごめん、と言った

「お前にとっちゃ大事なものだったっけ」
「…何しにきた」
「別に。お前の顔、見たくてさ」
ふふ、と笑う。

きゅうに怒りが消える、可愛い顔

カプセルに入った小さな光根を弄りながら、
和衛が俺に
「父さんが、今度一緒にランチしないかって」
「え……」
お茶を淹れる手が途中で止まる

俺、行っていいの?

行ってもいいの?

え。

「お前も来るだろう?」
「え…あ、おれ、いって、いいのか?」
「当たり前だろ。
お前、さ。もっと図々しくなれよ」

なんだか和衛は寂しそうだった。

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