「冷えるなぁ・・・」
ふと見上げると、
空から眩いばかりの白銀の雪がちらり、ちらちと堕ちてくる。
「雪だ・・・」
口元をほころばせて、
窓に額を付けるように、
雪を見た。
曇っているのに妙に明るい空の光を受けて、それぞれが宝石のように、雪が輝いている。
ガラスの鏡に同じように子供のような顔をした自分が映っている
雪は好きだった
何もかも隠すようで
優しいようで
明日はあいつと雪だるまを作ろう
満面の笑みを浮かべて、一人頷く。
終戦して半年。
家に居候しているあいつのことを思い出して、
また微笑みが深くなる。
雪と同じように
あいつのことも好きだから。