ちゅ、ちゅ、ちゅ、と、悠が僕のほっぺにキスする。

結婚の挨拶が終わって、悠の部屋に来たとたん、
悠は僕を抱きしめてちゅうしだして、くすぐったいってば。

身をよじって逃げようとすると、つかまえられちゃった。

「春ー」
「悠、こそばゆいよ」
「んーかわい…」

ちゅうちゅうちゅう。
悠はちゅうちゅう魔だ。
もう、今度からちゅうちゅう魔人って呼ぶぞ。

「悠は、お母さん似だよね」
「そう?」
僕のほほにほおずりして、
悠がまたちゅうちゅうしだす。

「くすぐったいよぉ」
「あしたは春のお母さんに挨拶しに行くんだよねぇ」

なんだかまだ覚悟が決まってない声で悠が言った。

「こあいなぁ」
「こあくないよぉ」
「だめですっていわれたらどーしよ」
「そんなこといわないよぉ」
くすくす笑うと、今度は唇にちゅうされた。
くすぐったいってば。

いきなりがちゃっとドアが開いて
「悠、居間に来い、かーさんが今日の夕飯…」
「うあっお、おやじっ」
「きゃあっ」
「おおっと、すまねぇな」

もう、もう。
悠、固まっちゃって、僕のこと抱きしめたままで、
もう。
悠のお父さんが去った後も、悠、固まったまんま、ドア見てる。

うーん、なんていうか

幸せ、だな。
すごく


すごく

幸せ、だな。