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酔いの玉
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CG
> 舌
せんせい、待って。
声をかけると、佐々木先生は、
渋い顔で立ち止まって、僕を見上げた。
夕暮れ近い曇り空。
キスして。
先生は首を振る。いそぐから。
少しだから、いいじゃん、
ちょっとだけ。
ちょっとだけ。
黙って僕を見ていた先生が、ゆっくり近づいてきた。
こころがドキドキする。せんせい。
そっと僕を引き寄せるその腕の強さに
一時の愛しさを感じる、温められているって、錯覚する。
先生の唇が、重なった。舌が、割って入ってくる。
せんせい。
何分経ったんだろう、繰り返し繰り返し愛撫して、
やっと放れると、せんせいを見て、僕は笑った。
きっと泣きそうな顔してる。
分かってるから。せんせいが、嫌がってること。
ぼくとこういうことになってしまって、
後悔している事。
それでも笑った。
せんせいが、僕を急に引き寄せた。
ぎゅうっと、胸に抱きしめる。
あんまりの気持ちよさに、呼吸が止まる。
「お前に、本気になって、いいんだろうか」
先生の声。
ハスキーで、温かい声、
意味がわかる前に、先生はもっと言葉を落とした。
「ユキサザ、これ以上先は、逃げられなくなるぞ」
いいよ、せんせいとなら、いいよ。
ぽつっと、雨が降ってきた。
それでも、ふたりぼっちで、そうしていた。
2004-04-11
20:27:53
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せんせい、待って。
声をかけると、佐々木先生は、
渋い顔で立ち止まって、僕を見上げた。
夕暮れ近い曇り空。
キスして。
先生は首を振る。いそぐから。
少しだから、いいじゃん、
ちょっとだけ。
ちょっとだけ。
黙って僕を見ていた先生が、ゆっくり近づいてきた。
こころがドキドキする。せんせい。
そっと僕を引き寄せるその腕の強さに
一時の愛しさを感じる、温められているって、錯覚する。
先生の唇が、重なった。舌が、割って入ってくる。
せんせい。
何分経ったんだろう、繰り返し繰り返し愛撫して、
やっと放れると、せんせいを見て、僕は笑った。
きっと泣きそうな顔してる。
分かってるから。せんせいが、嫌がってること。
ぼくとこういうことになってしまって、
後悔している事。
それでも笑った。
せんせいが、僕を急に引き寄せた。
ぎゅうっと、胸に抱きしめる。
あんまりの気持ちよさに、呼吸が止まる。
「お前に、本気になって、いいんだろうか」
先生の声。
ハスキーで、温かい声、
意味がわかる前に、先生はもっと言葉を落とした。
「ユキサザ、これ以上先は、逃げられなくなるぞ」
いいよ、せんせいとなら、いいよ。
ぽつっと、雨が降ってきた。
それでも、ふたりぼっちで、そうしていた。