ハネノ人は今日もきっかり二時に降り立ち
その羽根を柔らかくたたんだ、
お久しぶり
おしさしぶり

てこてこと近づくと、少しだけぴくりと怖がる
まだ、僕を恐れてる
僕があくまで、ハネノ人は天界のものだから

きずつけたりしないよ
しってるよ

キスすると、ハネノ人は息を止めてじっとしていた
小鳥みたい、手のひらで、きゅっと殺せるぐらい

ハネノ人が罠にかかって、
人間の手で汚されようとしていたとき
僕はこの逢瀬と引き換えに
ハネノ人を助けた

まだ、名前も知らない
教えてくれない。

あくまに愛があるならば
きっと僕は溺れてる

ハネノ人、と呼ぶと、少しまたぴくりとして
不思議そうに僕を見た
名前を教えてよ



ハネノ人が唇を開く
拒絶なのか、それとも、許しか

その音を待ちながら、
そっともたれかかった。

僕が、名前を教えてもいい…。