「っだぐよぉ、俺がいなかったらお前何度死ぬぞ」
訳のわからない日本語で、知佐が詰る。
べしーっと傷口に貼り付けた塗り薬を叩いて
「いだッ」
「いだいいうなッ」
「じゃなんていやいいんだよッ」
「いだぐないいえ!!!」
「なんでだよ!!!」
くすくす笑いながら、
ありがとよ、と言うとむっつり黙って
「もう喧嘩すんナ」
そう言った。

知佐の目が潤んでいる。
「お前のために喧嘩してんじゃないよ、
気にすんナ」
「そうじゃねぇッ」
腹にパンチいれられた。いてぇー。

「もう知らんッ」
「知佐ッ」
「…知らん、馬鹿」
「攫われそうになったら、また絶対いえよ」
「タコッ」

笑いながら寝転んだ。
今日はちょっと油断しちまった。
知佐がなくなら、
自分自身ももうすこし、
守ってやんねぇとナ。

そう想った。