人質

ここが私たちの篭城

畳のしんとした香りの中、
キトシの指がすう、と、こすれる

ここに悪魔の道がある

右上、少し斜めに傾いた方に、
キトシの指が滑った


こちらから行こう


キトシは、
悪魔に売られた身
明日悪魔を倒せなければ、
その体を陵辱され、
心まで喰われる…


了解いたしました

微笑みかけると、少し、キトシの頬が染まった


私を悪魔と見抜けないで
悪魔を倒す、なんて
なんて人間は馬鹿なのだろう

なんてキトシは馬鹿なのだろう

明日、

この胸に抱かれ、泣くキトシを想って

熱が上がった

貴方を必ずお守りする


きづかないのか、きづいているのか、
キトシが笑った



死ぬまで、愛してやろう