ただ無言で、ぼくらは抱き合った。
湊の瞳から涙がこぼれた。
ただ、懐かしかった。

湊の唇に自分の唇を寄せて、
そっと噛むと、湊が少し震えた。

僕らは去年の夏知り合って
去年の冬、別れた。
親達の勝手な理由で。

たった半年の出来事だった
あの日々が、心によみがえる、
湊を愛した、湊と一緒に、ふたりぼっちで愛し合った
何度も、何度も愛撫を繰り返した

「消えちゃった……」
湊が、泣きながら微笑んで、くっと襟首を広げてみせた、
僕がいつもキスしたところ、
その跡が消えないように、いつもいつもキスしたところ

「あれだけくっきりついてたのに」
「もっかいつけるよ」
そっとそこを指先でなぞると、湊がうっとりと目をつぶって、
僕の腕の中にそっともたれかかった。

「魁……」
声にならない声で、湊は僕の名前を呼んだ。
そっと、首筋に唇を寄せる。

接吻をしながら、湊と、離れたくないと考えていた、

ずっと、


ずっと。