ここは魔界です。
魔の天辺に塔は立っています。
塔の中には、僕とシャサさんがいます。
シャサさんは、目が見えません。
だから僕が守ってあげるんです。
今日もシャサさんを守るため、
スライムをえいやーと蹴って特訓をしました。
そしたらシャサさんがだめよだめよ言って、
意地悪なことはよしなさい、と言いました。
だって僕まだまだ強くならなくちゃいけないんだもの、
というと、なんでですか?と聞きます、
シャサさんを守るんだ、って言ったらきっと照れちゃって
だめですよ、っていうから、シミツです、と言いました。

「ちびちゃん、もうすぐちびちゃんの父さんが来るから、
おとなしくしてないとだめですよ?」
シャサさんが僕にちゅうしながら言いました。
シャサさんはいい匂いがします、ちゅうもだいすきです。
「とっとくるの?」
と言ったら、シャサさんが頷きました。
そのほっぺがちょっとだけピンク色です。
触ってみたらくすぐったいよ、とくすくす笑います。
嬉しくなってぎゅってすると、ぎゅうしかえしてくれました。
とっとはシャサさんと『けっこん』したい『マノヒト』で
『まちのひとびとにはんたいされた』から
『シャサさんとあそびあいて』をこの塔にかくまって、
『まちのひとびと』を説得してるんだとか。よく分かりません。
「父さんね…もうすぐ一緒に暮らせるって…」
シャサさんがちょっとだけ嬉しそうに言いました。
じゃあ今度から、とっとと僕でシャサさんを守るんだ、
大変だ、勇者がふたりになっちゃう。じゃあとっとは勇者の次の勇者になってもらおう。
そしたら僕はシャサさんをとっととふたりで守るんだ。

シャサさんのお胸に抱かれながら、そんなことを思いました。
シャサさんのお胸はいいにおいで、いつもねんねしてまいます。

シャサさんは人間です、僕が生まれるのと同時に、
とっとがさらって来ました。いけにえだったんだ、ととっとはゆいます。
僕はよく分かりません。
ただとっとはシャサさんがいーっぱいいーーーーーーーーーっぱいすきです。
僕はとっとのその倍々ぐらい
いーーーーーーーーーーーっぱいいーーーーーーーーーーーっっぱい
だいすきです。
シャサさんにこの間そういったら照れてました。

シャサさんは僕が守るんです。