ぼくはゆうびんや。

手紙を持つ手が震える、
いつからか届く手紙
宛名も切手もまっさらな手紙

「あいしてう」

少しだけ変な日本語
その後に途切れた署名

「マオ」

まお?
誰なんだろう。

その日は雨。いつもどおりの。
この国はやむ日がない。
黄色いレインコートも、
黄色い長靴も、
この国にやってきて始めて買ったもの。

「誰なんかなぁ」

微笑みながら、手紙を持ち帰る準備。
マオ。ちょっとだけ呟いてみたり。

マオ。

あいしてう。
(この間はすきょだった。なんで「ょ」が増えてしまったのか)

ちゃりちゃりちゃりっと自転車をこぐと
雨空につきがまあるく光っていた、

(ほんのちょっとだけ考えている)

(これ僕への手紙じゃないかしらん)







名もない居場所もない僕への…

マオ。誰なんだろう。








誰なんだろう。



最後の手紙を、いつでも、待つようになった。