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無題
「これが彼岸花か」
花見に行こうと言ったのは私。
無理やり誘った奴は、むすっとした顔で腰の剣を落ちつかなげに触っている。
「綺麗なものだな」
「服を着てください」
むす。
耳が少し赤いのは、私の気のせいか。
「暑い」
「嘘です」
「嘘ではない」
体操をしたから、暑いのだ。そう言うと
ちっと舌打ちして、そっぽを向いた。
「おまえは私が嫌いなのだな」
彼岸花。彼岸花ゆれる。別名曼珠沙華の花々が、寂しげに揺れている。
ここは現世か、それともあの世か。
寂しげなのに、どこかすざましい。
「父上が生きていたら、喜んだものを」
ぽつりと呟くと、
「嫌いではありません」
ずれた答えを返す。さっきより耳が赤いのは気のせいか?
「では憎いのか」
「憎いのではありません、
…もう、帰りましょう」
「いやだ」
「帰りましょう、もうすぐ日も暮れる」
「いやだ。」
「殿」
「接吻しろ」
ぎょっと、奴が私を見た、その目を嘲笑いながら見返し、そっと囁いた
「言うことを聞かせたかったら、接吻してみろ。」
彼は私を抱きしめながら、私をとても丁寧に扱った。
これから毎日接吻しろ、と言ったら、首まで赤くなっていた。気のせいか。
SS付き
2005-12-10
00:30:45
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花見に行こうと言ったのは私。
無理やり誘った奴は、むすっとした顔で腰の剣を落ちつかなげに触っている。
「綺麗なものだな」
「服を着てください」
むす。
耳が少し赤いのは、私の気のせいか。
「暑い」
「嘘です」
「嘘ではない」
体操をしたから、暑いのだ。そう言うと
ちっと舌打ちして、そっぽを向いた。
「おまえは私が嫌いなのだな」
彼岸花。彼岸花ゆれる。別名曼珠沙華の花々が、寂しげに揺れている。
ここは現世か、それともあの世か。
寂しげなのに、どこかすざましい。
「父上が生きていたら、喜んだものを」
ぽつりと呟くと、
「嫌いではありません」
ずれた答えを返す。さっきより耳が赤いのは気のせいか?
「では憎いのか」
「憎いのではありません、
…もう、帰りましょう」
「いやだ」
「帰りましょう、もうすぐ日も暮れる」
「いやだ。」
「殿」
「接吻しろ」
ぎょっと、奴が私を見た、その目を嘲笑いながら見返し、そっと囁いた
「言うことを聞かせたかったら、接吻してみろ。」
彼は私を抱きしめながら、私をとても丁寧に扱った。
これから毎日接吻しろ、と言ったら、首まで赤くなっていた。気のせいか。