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無題
お師匠様、そろそろ一緒に空を飛びましょうよ、と言うと、
笑ってその羽でか?と、
人の羽をくいくい引っ張る。
そりゃちっぽけですが、
ですが、もう飛べます。
まだ無理だ。
かたほほにえくぼをくっつけて、
お師匠様が背中にちゅうをした。
「…………………!」
お前は本当に感じやすいな。
お師匠様は笑いっぱなしで、
僕の背筋をぞくぞくさせる、
指で羽をぽしぽし叩く
「まだ無理だ、軟膏塗って、もう少しよくなったらな」
「ぷぅ」
膨れて見せるともう一度背中にちゅうされた、
ぞくぞくぞく、と、体がしなる。
「んー」
お師匠様がくすくす笑いながら、
後ろから僕を抱きすくめた、ごめんな
…ごめんじゃないです
ごめんな
ごめんじゃないです
…ごめんな
あの日、悪魔がお師匠様を殺そうとした日、
お師匠様は逆らわなかった―僕は悲鳴をあげて―悪魔の背中に雹を降らせた
振り返った悪魔は真っ赤な目をらんらんと光らせて
僕に向かって―笑った
気づいたら、羽から血を流して僕はお師匠様の腕の中にいた
お師匠様は、泣きそうな顔で
思考を途切らせたのは、お師匠様の、小さな呟き
…くずれ、私が死んだら悲しいか?
答える僕をとても大事そうに、撫で付けた
くずれ
囁く声が
あまずっぱかった
SS付き
2005-12-17
18:14:23
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笑ってその羽でか?と、
人の羽をくいくい引っ張る。
そりゃちっぽけですが、
ですが、もう飛べます。
まだ無理だ。
かたほほにえくぼをくっつけて、
お師匠様が背中にちゅうをした。
「…………………!」
お前は本当に感じやすいな。
お師匠様は笑いっぱなしで、
僕の背筋をぞくぞくさせる、
指で羽をぽしぽし叩く
「まだ無理だ、軟膏塗って、もう少しよくなったらな」
「ぷぅ」
膨れて見せるともう一度背中にちゅうされた、
ぞくぞくぞく、と、体がしなる。
「んー」
お師匠様がくすくす笑いながら、
後ろから僕を抱きすくめた、ごめんな
…ごめんじゃないです
ごめんな
ごめんじゃないです
…ごめんな
あの日、悪魔がお師匠様を殺そうとした日、
お師匠様は逆らわなかった―僕は悲鳴をあげて―悪魔の背中に雹を降らせた
振り返った悪魔は真っ赤な目をらんらんと光らせて
僕に向かって―笑った
気づいたら、羽から血を流して僕はお師匠様の腕の中にいた
お師匠様は、泣きそうな顔で
思考を途切らせたのは、お師匠様の、小さな呟き
…くずれ、私が死んだら悲しいか?
答える僕をとても大事そうに、撫で付けた
くずれ
囁く声が
あまずっぱかった