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論詩
待て、論詩
焦るように私を包もうとする王を手で制して、
少し涼むだけだから、と笑った、
彼はおろおろと、しかし、と言う、
その唇を人差し指でつまむ
安心しろ
道を歩くと火照った体に風が心地よかった
私の体は子供が産めない
だから王の傍にはいられない―…
どんなに愛されても
論詩。
不意に後ろからぶつかるように抱きしめられた、
勢いで転がってそのまま彼の胸元にぎゅうっと押し付けられる
何をする、と怒ろうとしたら
あっけなく震えた声が返ってきた
行かないでくれ
行かないでくれ
頬に彼の震えが伝わってきて、
こんなに焦っている彼なんか、初めてだと、
そう想って、
どうしようもなく
どうしようもなく、
なんにも、できない
SS付き
2006-01-07
17:30:17
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焦るように私を包もうとする王を手で制して、
少し涼むだけだから、と笑った、
彼はおろおろと、しかし、と言う、
その唇を人差し指でつまむ
安心しろ
道を歩くと火照った体に風が心地よかった
私の体は子供が産めない
だから王の傍にはいられない―…
どんなに愛されても
論詩。
不意に後ろからぶつかるように抱きしめられた、
勢いで転がってそのまま彼の胸元にぎゅうっと押し付けられる
何をする、と怒ろうとしたら
あっけなく震えた声が返ってきた
行かないでくれ
行かないでくれ
頬に彼の震えが伝わってきて、
こんなに焦っている彼なんか、初めてだと、
そう想って、
どうしようもなく
どうしようもなく、
なんにも、できない