許されるなら―光根―



時折、和衛を殺しそうになる

逃げ込んだ部屋で、俺はやっと息を吐いた
息を止めていたことに、気づいた
光根が揺れていた

「勲章だってさ」

光根がまた揺れる、微かに。微かに

「和衛に勲章。」

ばさっと本を置いて、
椅子に座った
闇の中でも、なれた部屋

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