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2005
> 許されるなら―光根―
許されるなら―光根―
「あっち行った、あっちだ」
かんかんかんッと固い靴が響く、
新品の、靴擦れのする。
固い靴。
和衛の傷はすぐに治ったけれど、
俺は彼女を追うことを止めなかった
和衛は死ぬところだった
「おい待てッ」
死ぬところだった
それを聞いたとき、どうしても彼女をつかまえたくなって
自分の感情がよく分からない。
激怒しているのか、
彼女に聞きたいことがあるのか―それとも
混乱していることは、確かだ
地下道、深く暗い闇
いるならば、ここだと想った
もうすぐ捕まえられる、その時、
マンホールの蓋がひらいて、
和衛が上から「落ちて」来た
「~~~~~~~~~~…」
あんまり怒ったものだから、
むっくり和衛の「下」でむくれていると、
和衛はぼーっと呟いた。
「お前さ、なんでそんな怒ってんの?」
「……お前が刺された」
「……ひはは」
「…何がおかしい」
「うれし」
嬉しい?
がばっと立ち上がる、和衛がうわあっと揺れる。
それを支え
「何がおかしい」
「嬉しいって」
いきなり和衛に抱きしめられた
和衛の目が涙にぬれているのをみて、
俺は焦った
「な、泣くな」
「お前おこんだもん」
嬉しいなぁ
そう言いながら、和衛が俺をぎゅうぎゅうする
苦しいよ
「うれし…クル、おこんだもん…」
「和衛…」
少し迷って、和衛を抱きしめた…
きっと、刺されてちょっと弱ってるんだこいつ
うん…、俺がついてないと
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2005-07-30
17:02:37
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「あっち行った、あっちだ」
かんかんかんッと固い靴が響く、
新品の、靴擦れのする。
固い靴。
和衛の傷はすぐに治ったけれど、
俺は彼女を追うことを止めなかった
和衛は死ぬところだった
「おい待てッ」
死ぬところだった
それを聞いたとき、どうしても彼女をつかまえたくなって
自分の感情がよく分からない。
激怒しているのか、
彼女に聞きたいことがあるのか―それとも
混乱していることは、確かだ
地下道、深く暗い闇
いるならば、ここだと想った
もうすぐ捕まえられる、その時、
マンホールの蓋がひらいて、
和衛が上から「落ちて」来た
「~~~~~~~~~~…」
あんまり怒ったものだから、
むっくり和衛の「下」でむくれていると、
和衛はぼーっと呟いた。
「お前さ、なんでそんな怒ってんの?」
「……お前が刺された」
「……ひはは」
「…何がおかしい」
「うれし」
嬉しい?
がばっと立ち上がる、和衛がうわあっと揺れる。
それを支え
「何がおかしい」
「嬉しいって」
いきなり和衛に抱きしめられた
和衛の目が涙にぬれているのをみて、
俺は焦った
「な、泣くな」
「お前おこんだもん」
嬉しいなぁ
そう言いながら、和衛が俺をぎゅうぎゅうする
苦しいよ
「うれし…クル、おこんだもん…」
「和衛…」
少し迷って、和衛を抱きしめた…
きっと、刺されてちょっと弱ってるんだこいつ
うん…、俺がついてないと