音を立てて、扉が開いた
無表情にあなたが階段を降りてくる
僕はしびれて感覚のなくなった手を、力無くロープにもたれかけて
あなたを見ている
「いい子にしていたか?」
あなたが問う
顎に手をさしのべて僕の目を無理矢理合わせる
「おしおきが少しきつすぎたかな?」
辛さに汗をにじませる僕を見て
やっとあなたが笑った
 
あなたはどうしても気がつかない
縛らなくてもとじ込めなくても
もう僕は逃げない そのことに
 
とっくにもう
僕の心はあなたに囚われている
 
愛してる
それを言わないことだけが
僕のたった ひとつの反抗