あめがしとしと、降り続く
オオギョウのはっぱを一本もらって
あの人のところへいそいだ

あの人は、倒れた巨木に座り
小雨の色に濡れていた
髪にかかる霧のような水滴に
光が落ち、
私を見つけて、彼の瞳がたゆむ

会いたかった

ため息をつくように、あの人はつぶやいた

会ってはいけない恋
会ってはいけない人

男同士だから

誰が決めたルールだろう、
こんなに愛しいのに

抱きしめることも
接吻することさえもできない

あの人に触れないように、
私は佇んで、はっぱをさした

月に一度、こうして会うだけで、精一杯で
もっと、会うことをふやしてしまえば
触れることを許しあえば
きっと、どこまでも落ちていく

ただ何も言わずに、あの人の唇を見ていた
雨でしめったふくよかな赤は、やっぱり何も言わずに
雨の音を聞いていた

いずれ


いずれ私達は、境界線を越える















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淡い逢瀬