北風:吸血鬼

「ゆうひろ、北風ぴゅーぴゅー」

「んだよ、くっつくなよ」

そう言って寄りかかってきたまひろを
きゅっとだきしめる、
まひろがくすくす笑う

ゆうひろのにおい、夕日の味

なにそれ
えっちだなぁ

唇に唇を重ねて吸うと、まひろがいやんと言った

「なにがいやんだ」
「きもち」
「きもちってなんだ」
「うそ」
「うそってなんだ」

もう訳が分からない

ぶっぶーっと自動車が通り過ぎる

んーまふまふ

黄色いマフラー、まひろが買ってくれたマフラーに
首を突っ込んで、まふまふしている

「くすぐってぇ」

「ゆうひろのにおい」

「えろい」

くすくす笑いあいながら、唇を合わせる

「まひろ
血、吸う?」
「…」

ちょっと考えてから

「家、かえってー」
「かえってー」
「ゆうひろちゃんとセックスしながら吸う」
「…」
「ゆうひろちゃん耳までまっかっか」

馬鹿まひろ。
そう言いながらぎゅっと抱きしめると、
くうしい。って言いながら、余計体を押し付けてくる

「まひろはえろい」

キスした

唇に、唇が絡む

言ったら笑うだろ
絶対笑うだろ

お前と居る時、

この世に生まれてよかったと、

そう想うんだ