玉
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絵
> 危うさ
危うさ
曇り空。藍の色。
抱きしめると、心音がぎゅうっと縮んだ、
息が出来なくて。悲しくて、愛しくて。
いいの
擦れた声で、佐々木が言う
いいんだ
見上げると、佐々木は空を見上げながら、目を閉じていた
まぶたに薄い光が落ちてる
いいんだ
匂いをかぐように、胸にうずめた
佐々木が、俺の背中に、
おずおずと、手を回し
ゆっくりさわさわ、
さわさわ
嗚呼、烏が空を飛び交い、雪の降るようなどんよりとした雲、
耳まで冷えて、千切れそうなのに
どうしてこんなに、熱いの
彼の言葉が、しこりのように、耳を逢瀬する
つれて逃げたい
だからついてきて欲しい、
それだけで、もう、いいから
なんもいらないから
充分だから
思わず胸に唇を押し当てると、
熱いよ
つぶやいた佐々木のあごに唇をはわせ、接吻した
冬のいちにちで、全てが終わって。
全てが始まった。
佐々木になら、殺されたって、いいから。
2005-11-20
21:12:05
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抱きしめると、心音がぎゅうっと縮んだ、
息が出来なくて。悲しくて、愛しくて。
いいの
擦れた声で、佐々木が言う
いいんだ
見上げると、佐々木は空を見上げながら、目を閉じていた
まぶたに薄い光が落ちてる
いいんだ
匂いをかぐように、胸にうずめた
佐々木が、俺の背中に、
おずおずと、手を回し
ゆっくりさわさわ、
さわさわ
嗚呼、烏が空を飛び交い、雪の降るようなどんよりとした雲、
耳まで冷えて、千切れそうなのに
どうしてこんなに、熱いの
彼の言葉が、しこりのように、耳を逢瀬する
つれて逃げたい
だからついてきて欲しい、
それだけで、もう、いいから
なんもいらないから
充分だから
思わず胸に唇を押し当てると、
熱いよ
つぶやいた佐々木のあごに唇をはわせ、接吻した
冬のいちにちで、全てが終わって。
全てが始まった。
佐々木になら、殺されたって、いいから。