淡水魚

窓を開けるとうにゃーとないた。てんしさま、もーいっちまうですかー。片手でまぶたをこすりながら、片手で人のズボンをひっぱる。いかせてよ、会議に遅れちまう。もっかいセックスしようよー、うにゃーうにょーとなんとか僕をベッドに引っ張り込もうとする。会議だってばー、やらぁ、帰っちゃやらぁ。

しょうがないなぁ、そう言いながら、おでこにちぷっとキスすると、きゃああああ、と言いながら人をぎゅうっと抱きしめた。

「くるし…芳さん、僕を殺す気ですか」
「かぅわいい人、殺すまで愛してあげましょう」

笑いながら、そっと両手をはずすと、にゃー、寂しそうに僕を見上げる、そのまぶたにふうっとキスした。目を瞑った瞬間、くちびるに、ちゅっちゅっちゅ

ちゅっちゅっちゅ




すぐ戻るよ


手を振りながら窓辺に向かって、羽をサパーッと広げた

「待って!!!!」

「もう、芳、いいかげんにぃ」

振り返ると芳はこっちをぽーっと見てる、なに。なぁに。何その顔。可愛い顔、やらしい顔、幼い顔、可愛い顔、芳

おまえの羽根すき

そりょそりょよってきて、後ろに回って、根元にちゅうした、くすぐったい

すぐ帰ってきてね

うん

お土産はサンドイッチがいいです



もう空に浮きながら、羽を動かす、芳がまくらをきゅっとしたまま、ぎゅっと、

我慢してる




お尻に力いれて、芳は我慢するよ




我慢するから寂しくないよ

よ、し、

まくらもあるし









口をついて出そうな言葉―僕だって寂しいんだぞ、ひとりっきりで会議なんだぞ、芳がそこにいないんだぞ、わかるもんか、すごく寂しいんだぞ、でも

お尻に力をいれて―その代わり、ついて出た言葉




芳、いちばん、いちばん、あいしてう