霧雨の中はまるで水族館みたいだ。
泣きながら腕の中にすっぽりおさまって
ユナヒはしゃっくりをあげている

少し暑い日。
蒸し暑い日。
水滴は体を濡らしながら、
ユナヒは胸を濡らしながら。

「せんせぇ、僕別れたくなんかないよぉ」

きょういくいいんかいとかいうところから
お達しがあって
ねぇねぇ君君、そういうのはまずいんじゃないかね
まずいと思うよ、生徒とつきあうのは、ほら、やっぱりねぇ
校長の独特の言い回しが思い浮かぶ。

体育館の裏、木々に囲まれた、ひっそりした区切られた空間。

ユナヒの髪の毛をそっと撫でた
彼を無くすべきか、職を無くすべきか

僕の心は決まってる。